[泉体育館駅より徒歩5分]

相続・贈与について

小規模宅地等の特例要件が改正されました。

 その1 「家なき子」の改正

相続税を計算するうえで、土地の評価は大きなウエイトを占めます。現在住んでいる土地を売却しなければ相続税が払えない!なんていうことになると大変です。そのために亡くなった方と同居していた配偶者や親族は、その土地の評価額を大幅に減額できる制度があります。(親族は一定要件があります)また、勤務の都合などで同居していない子どもに対しても次の要件に該当すれば、この特例を適用することができます。持ち家を持っていない子どもが取得するということで「家なき子の特例」などと言われています。今までは、この特例を受けるにあたり、以下の要件に適用していなければいけませんでした。

1.亡くなった方に配偶者や同居している法定相続人がいない
2.亡くなった方の宅地を取得する親族は、3年以内に「自己」又は「自己の配偶者」の持ち家に住んだことがない
3.その宅地を取得した親族は、申告期限までその宅地を有している

そうすると、このスキームを利用して節税をしようと考える人がいるんですね。持ち家を孫に贈与して持ち家がない状況をわざわざ作り出したり、家屋を所有していない孫に遺贈したりして特例を受けようというケースが出でてきたそうです。

そこで平成30年4月より一部の要件が改定され、次の要件となりました。

1.亡くなった方に配偶者や同居している法定相続人がいない
2.亡くなった方の宅地を取得する親族は、3年以内に「自己」、「自己の配偶者」、「自己の3親等内の親族」又は「自己と特別の関係がある法人」の所有する家に住んだことがない
3.相続開始時に、宅地を取得した親族は居住している家屋を一度も所有したことがない
4.その宅地を取得した親族は、申告期限までその宅地を有している


その2 貸付事業用宅地等の改正

 貸付事業用宅地等の特例とは、お亡くなりになられた方が、アパートの賃貸経営等を行っていた場合に、親族が取得し継続してアパート経営等を行った場合には、その宅地については評価額の50%(限度面積200㎡)が減額される制度です。
 この制度の適用要件が平成30年4月1日以降から変わりました。
 相続開始前3年以内に貸付けた宅地等については、この適用から除外されます。要するに、お亡くなりになる直前に不動産を購入して貸付けを行っても、この特例を受けることができなくなったというわけです。

ただしお亡くなりになられた人が3年より前から特定貸付事業を行っていた場合には、この適用から除外されます。特定貸付事業とは不動産貸付業や駐車業等のうち準事業(事業と称するには至らない不動産の貸付その他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うもの)以外のものをいいます。いわゆる事業的規模で貸付を行っていた場合にはこの縛りがないということになります。少々ややこしいですね。

小規模宅地等の特例は、上記のように法の改正が度々あります。特例を適用するか否かで土地の評価額が大きく変わり相続税負担に影響を及ぼしますので注意が必要です。

安心してご相談下さい。

相続は一生のうち、何度も経験するものではありませんよね。相続税は掛かるのかしら?良く解らない。
そんな方も、お気軽にご相談下さい。

相続税の基礎控除額が変更になりました。

相続税の申告が必要かどうかは、遺産に係る基礎控除額を超える財産がある場合に必要となります。平成27年1月1日にこの基礎控除額の引き下げが行われました。この改正により一般的なご家庭でも相続税がかかってくることが多くなりました。

遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、相続人が配偶者と子ども2人の場合の基礎控除額は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

となりますので、これを超える財産(正味遺産額)があるときは、申告が必要となります。